Valextra Meets Fumiko Imano

The pioneering Japanese photographer brings her signature double take to our Introducing Milano campaign.

Valextra Meets Fumiko Imano

ミラノの二律背反する精神と幾重にも重なる物語を捉えるのに、著名な日本人写真家、Fumiko Imano以上の適任者がいるでしょうか。架空の双子を主人公にしたセルフポートレイトで有名な彼女は、場所や主人公を思いもかけない状況に置き、独創的なレンズを通して表現しています。ここでは、キャンペーンについてと、彼女の製作過程について、そしてフィクションと現実の間の絶妙なスポットに彼女が惹かれる理由を語ってくれます。

Valextra : Fumikoさん、こんにちは。初めてミラノに来たときの印象をお聞かせください。


Fumiko Imano: パリに似ていると思いますが、建物が大きくて、大理石が敷き詰められていますね。

V: あなたはロンドン、リオデジャネイロ、東京などの大都市に住み、仕事をしてきましたが、ミラノの特徴は何だと感じますか?

FI: パリよりもクラシックで、食べ物がとてもシンプルに調理されていて美味しく感じました。

V: ミラノを拠点とするヴァレクストラの伝統と、現在の時代の流れにおけるヴァレクストラの位置づけを、キャンペーンでどのように結びつけようと考えたのですか?

FI: 古い時代と現在の両方をイメージしました。モデルのグレースは若いのですが、とても成熟したパーソナリティを持っているので、完璧にマッチしていました。キャンペーンでは、ミラノの景色もあわせて見せたいと思いました。

V: あなたの作品は、フィクションと現実の比較や思考を呼び起こします。この二つの要素の関係を探求する理由は何ですか?

FI: 私は、自分の過去を見るのが嫌なのですが、写真は過去について撮るものです。私がこれらの写真を第三者として見る頃には、それは私のフィクションになっています。

V: Valextraのキャンペーンでもそうですが、あなたの作風は個人とそのもうひとつの人格を描いていますね。これらの要素のどこに最も惹かれますか?

FI: 作品に自分自身として姿を現すことは、自分のサインがあるように感じます。

V: どの時点で写真と出会い、その道を志したのですか?

FI: 若い頃、ファッションフォトグラファーになろうとしましたが、実現しませんでした。自分の作品に対し独占欲が強かったので、他の人とコラボレーションすることができませんでした。それで、セルフポートレイト・アーティストとして自分ですべてをやろうと決めました。でも、今はアーティストとしての仕事が確立され、大きなエゴもなくなったので、楽しくコラボレーションできるようになりました。

V: 想像上の双子を最初に表現したのはいつですか?

FI: 2000年頃だったと思います。日本に帰国した際、日本の文化になじめないというアイデンティティの問題を抱えていました。私はすでに27歳だったので、大人の世界に溶け込まなければならなかったのですが、それができませんでした。ただその時、"双子だったら、一緒に生活することで楽に乗り越えられるかもしれない "と思いました。それで、ハサミとのりを使って双子を作り始めました。でも、それは現実ではないので、2枚の写真の切り口や縫い目を見せたかったのです。

V: 今回の撮影で一番気に入った写真とその理由を教えてください。

FI : グレースとの写真が好きです。もちろんソロの写真も好きだけど、友達の写真のような温かさがあります。彼女は本当に優しくて、彼女との撮影は素晴らしかったです。

V: 今まで撮った写真の中で一番好きな写真について教えてください。

FI : 2002年に私の住む日立市で撮った‘Fountain Twins’でしょうか。今でも私にとって完璧な作品だと思っています。